第12巻 協奏曲/管弦楽曲


ついにきました最終巻!
これらの作品に、自分ごときが今さら何を語る?
という曲目ばかり・・・。
聴いているだけで、手が進まないであろう、最終巻。
はたしてゴールはいつのことか・・・。(2017.10.02)


CD1 ヴァイオリン協奏曲
アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

BWV1043 2つのヴァイオリンのための協奏曲
アーノンクール、プファイファー(ヴァイオリン)
BWV1042 ヴァイオリン協奏曲 ホ長調
BWV1041  ヴァイオリン協奏曲 イ短調
BWV1056R ヴァイオリン協奏曲 ト短調
アーノンクール(ヴァイオリン)
BWV1060R オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調
シェフトライン(オーボエ)、アーノンクール(ヴァイオリン)
 前半3曲は、アリス夫人の微妙に色っぽい?バッハに魅了される1枚。
 バックが隈取を聴かせながらも、売り物の?粗い響きを出さないのがなんとも心地よい。
 意外と、我がエヴァーグリーン?とも言えるグリュミオーを始め、昔風の演奏に通じる響き。
 [復元版]とされた後半2曲では、いつものVCM調がややもどるか・・・。(2017.10.07)


CD2〜3 ブランデンブルク協奏曲
アントニーニ指揮
イル・ジャルディーノ・アルモニコ

BWV1046 第1番 ヘ長調
BWV1047 第2番 へ長調
BWV1048 第3番 ト長調
BWV1049 第4番 ト長調
BWV1050 第5番 ニ長調
BWV1051 第6番 変ロ長調
 解説によれば、「このジャンルの最高傑作」。
 ここ一番でアーノンクール&VCMの盤ではないのに驚くが、
 この全集のリリースのタイミングからすると、
 1997年の録音は、ふさわしい選択であったわけだ。
 ある意味、ピリオド楽器による演奏スタイルの究極の一角?をなす内容である。
 軽く、明るく、切れの良い、いかにもイタリア風の弦楽器に、
 管楽器を中心にした独奏陣が、時に粗っぽいまでの、生き生きとした響きで彩を添えていく。
 そこに無類の楽しさを感じるか、眉をひそめるかは、聴き手の気分次第かもしれない。(2017.10.09)


CD4〜6 チェンバロ協奏曲
レオンハルト(チェンバロ)レオンハルト・コンソート(BWV1052を除く)
タヘッツィ(チェンバロ)アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(BWV1052)
BWV1055 イ長調
BWV1056 へ短調
BWV1054 
ニ長調
BWV1053 ホ長調
BWV1057 ヘ長調(チェンバロと2つのリコーダーのための)
ブリュッヘン、ヴィンゲルデン(リコーダー)
BWV1052 ニ短調
BWV1063 ニ短調(3台のチェンバロのための)
ウィッテンボッシュ、カーティス(チェンバロ)
BWV1061 ハ長調(2台のチェンバロのための)
ウィッテンボッシュ(チェンバロ)
BWV1064 ハ長調(3台のチェンバロのための)
ウィッテンボッシュ、カーティス(チェンバロ)
BWV1062 ハ短調(2台のチェンバロのための)
BWV1060 ハ短調(2台のチェンバロのための)
ミュラー(チェンバロ)
BWV1065 イ短調
(4台のチェンバロのための)
ウィッテンボッシュ
、ミュラー、ウェリング(チェンバロ)
BWV1059R ニ短調
BWV1058 ト短調
 短調のしまった響きを期待していたら、いきなりイ長調である。
 BWV番号の順に聴かせる盤も少なくないだけに、
 全集のための編集があっても良かったのではないか?
 トップバッターとなるはずの?ニ短調は、バッハのオリジナルか疑義があるということで、
 当初レオンハルトが録音しなかったとか・・・。、
 演奏そのものは、さすがレオンハルト、なんとも透明感の高いバッハである。
 そんな中で面白かったのがBWV1054のフィナーレ。
 これがレオンハルト? と思うほど、軽いノリの演奏。
 タヘッツィによるBWV1052も同様の演奏ながら、
 アー様がついているので、 そこそこに曲にふさわしい重さが感じられる。
 複数台による協奏曲は、両端楽章の複数台による厚い響きと、
 各パート一人のバックによる繊細さが際立つ中間楽章の対比が見事。
  ラスト近く、1059Rでは、アー様 in Kiatra のひと時がよみがえる(2017.11.06)


CD7〜8 管弦楽組曲
アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

BWV1066 組曲第1番 ハ長調
BWV1067 組曲第2番 ロ短調 
BWV1068 組曲第3番 ニ長調
BWV1069 組曲第4番 ニ長調

 クラシック聴き始めのころ、重厚長大なカザルスの演奏で聴いていた2番、3番。
 第2番を傑作とするけれど、今の自分には第1番がまさに一番か・・・。
 アー様のCDは20年以上昔に、"Harnoncourt Edition"なるセットで購入。
 立派なアクリル・ケースに21枚収まったうちの2枚は、以来我が家の「定盤」である。
 ただ、Kitaraで第1番、第3番を聴くという特別な体験をしてしまってからは、
 取り出すのには勇気の要るセットとなっている。(2017.11.07)


CD9 その他の協奏曲とシンフォニア
BWV1044 フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲 イ短調
ブリュッヘン(フラウト・トラヴェルソ)、M・レオンハルト(ヴァイオリン)
レオンハルト(チェンバロ)レオンハルト・コンソート
BWV1055R オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調
シェフトライン(オーボエ・ダ・モーレ)
BWV1052R ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
アーノンクール(ヴァイオリン)
BWV1045 シンフォニア ニ長調
アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

 ラストの2枚「その他の・・」はないだろうに・・・。
 イ短調の曲はバッハの「トリプル・コンチェルト」とも呼ばれる一品。
 さすがレオンハルト、時に地味すぎるほど真摯なバッハ。
  4トラック以降はアーノンクール・バンド。
 最初のシェフトラインのソロは今となっては技巧的につらいけれど、
 アー様率いるコンツェントゥス・バンドはノリノリである。
 これだけ艶っぽいバッハは他所ではなかなか聴けないのではないか?
 ヴァイオリン協奏曲は指揮者の一息からスタート、
 この日の朝、アーノンクール家になにかあったのでは?
 と思える、時にスリリングな奥方のソロに舌を巻く。
 最後のシンフォニアは、円満な音楽にストレートな対応。
 ちょっと響きが薄いか?(2017.11.17)


CD10 その他の協奏曲とシンフォニア
ホグウッド指揮
エンシェント室内菅
BWV1046a シンフォニア ヘ長調
BWV1050a ブランデンブルク協奏曲第5番(第1稿) ニ長調
プレストン(フラウト・トラヴェルソ)マッキントッシュ(ヴァイオリン)
ホグウッド(チェンバロ)
BWV1064R 3つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調
ハイロンズ、ハゲット、マッキントッシュ(ヴァイオリン)
 Bach2000最後の1枚は何故かDecca原盤のホグウッドである。
 最初の2曲はブランデンブルク協奏曲の異稿。
 長さが短かったり、低音弦が控えめだったりと、コンパクトな創り。
 明快、かつ上品なホグウッドの演奏が実にふさわしい。
 最後の3つのヴァイオリンのための協奏曲は、
 今から40年以上昔、自分が始めて聴いた生のバッハ。
 パイヤール指揮パイヤール室内菅によるコンサートのトリの曲。
 アンコールもその第3楽章がまさに「アンコール」された。
 その第3楽章、
 のびのびとしたチェロの上に独奏陣がフーガを奏でる様は、
 そのときから変わらぬ、我がお気に入りのバッハの一節である。
 153枚の最後の偶然に感謝しつつ、この稿を閉じよう(2017.11.19)


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