第3巻 教会カンタータ3


CD1 レオンハルト(100)、アーノンクール(101〜102)指揮
BWV100 カンタータ第100番「神なしたもう御業こそいと善けれ」(1734)
  第1曲は前曲の転用。こちらはホルンがついてかなり威勢のよい音楽に仕上がっている。
ブランデンブルグの1番と2番の冒頭楽章を足したような音楽といえば近い感じ。
  レチタティーヴォがなく、すべての曲がタイトルどおりの文句で歌い始める。
音楽もコラールに基盤を置いて類似した雰囲気で始まる。(2001.4.29)

BWV101 カンタータ第101番「われらより取去りたまえ、主よ、汝真実なる神よ」(1724)
  いままで3曲続いた神への信仰を穏健に歌う曲想から変わってシリアスな表情の音楽。
第1曲では厳しく叩き付けるような和音の連打が4小節間16回聴かれる場面もある。
バスのアリアではオーボエが燃え上がる炎を描写する。
この曲も随所でコラールの響きが聴こえる。特に後半の二重唱での引用は美しい。(2001.4.29)

BWV102 カンタータ第102番「主よ、汝の目は信仰を顧るにあらずや」(1726)  
 冒頭「ヨハネ」風の呼びかけではじまる充実した合唱がすばらしい。
バスのアリオーソを中心にシンメトリックをなした7曲はテキストを反映してシリアスな曲調。
声楽陣が充実した歌唱で、受難曲の一部を聴いているかのよう。(2001.5.5)


CD2 アーノンクール(103)、レオンハルト(104、105)指揮
BWV103 カンタータ第103番「汝らは泣き叫び」(1725)
  リコーダーの華やかな動きと緊張した合唱のコントラストが見事な冒頭合唱。
リコーダーは次のアルトのアリアで憂いに満ちた響きを作る。
後半はトランペットがテノールのアリアに加わり喜びを歌う。
短いながらも憂いと喜びのコントラストが明確に打ち出された曲。(2002.5.31)

BWV104 カンタータ第104番「イスラエルの牧者よ、耳を傾けたまえ」(1724)
  タイトル通り牧歌的ムードが特徴。冒頭合唱は9拍子のリズムが流れる。
独唱は男声のみ、器楽は管楽器を抑えた小さめの編成。
6拍子のリズムにバスがゆったりと歌う第5曲目が魅力的。(2002.6.5)

BWV105 カンタータ第105番「主よ、汝の下僕の審きにかかずらいたもうなれ」(1723)
  第1曲は凝縮されたような響きの序の部分とフーガからなる合唱。
ちょっと力の入れ方が違うかな?と思わせるが構成そのものはは両端に合唱を置き、
4人のソロに1曲ずつあてるという簡潔さ。ソロの旋律自体は控えめながら
器楽にこった動きを聴かせる。(2002.6.7)


CD3 レオンハルト(106、107)、アーノンクール(108)指揮
BWV106 カンタータ第106番「神の時こそいとよき時」(1727)
  ソナティーナと題されたリコーダーの幻想的な響きの序ではしまる。
オラトリオの一部とする説があるほどで、通常のカンタータとは曲の作りも異なっている。
合唱とアリオーソが交代で現れて全体としてゆったりとした曲調だが、
最後はこまかい動きの「アーメン」のフーガでしめくくる。(2002.6.10)

BWV107 カンタータ第107番「汝なんぞ悲しみうなだるたるや」(1724)
  冒頭、全曲の続きかと思うような曲調。美しい器楽と合唱。
歌詞が通常と違い原コラールのみということで、レチタティーヴォらしい部分がほとんどない。
4曲続くアリアがそれぞれの表情を持つ。通奏低音のピチカートを伴うテノールのアリアの晴れやかさが
いい(2002.6.15)

BWV108 カンタータ第108番「わが去るは汝らの益なり」(1725)
  技巧的な器楽のソロを伴う2曲のアリアが前半に置かれている。
中間には堂々としたフーガがはさまれる。全体に細かくリズムを刻むような音楽が聴かれる。(2002.6.20)


CD4 アーノンクール指揮
BWV109 カンタータ第109番「われ信ず、尊き主よ、信仰なきわれを助けたまえ」(1723)
  長い序奏をもつ冒頭合唱をはじめシリアスな曲調が続く前半。
第3曲ではヴァイオリンの付点の音形が実に峻烈なイメージを与える。
後半はアルトが暖かく信仰の安らぎを歌う、前半をテノールのエクヴィルツが好演。
最後は合唱が和声ではないコラールで締めくくる。(2002.8.3)

BWV110 カンタータ第110番「笑いはわれらの口に満ち」(1725)
  冒頭、何だっけこれ?。管弦楽組曲第4番の序曲がそのまま使われている。
クリスマス用カンタータということでレチタティーヴォは短いのがひとつ、あとは明朗な音楽。
後半のトランペットを伴ったバスのアリアがかっこいい。器楽、声楽とも万全の演奏。(2002.8.08)

BWV111 カンタータ第111番「わが神の御心のままに、常に鳴らせたまえ」(1725)
  冒頭合唱は劇的な音楽。アーノンクールの面目躍如、テルツの合唱もいい。
全体的に器楽の装飾的な動きが目立つ。(2002.8.11)


CD5 アーノンクール(112)、レオンハルト(113、114)指揮
BWV112 カンタータ第112番「主はわが信実なる牧者」(1731)
  牧者というキーワードにお約束のホルンの響きで始まる。
短く、のどかな雰囲気に満ちた1曲。コラール前の二重唱の表情がさわやか。(2002.8.16)

BWV113 カンタータ第113番「主イエス・キリスト、汝こよなき宝」(1724)
  冒頭の真摯な重みのあるコラールの響きが随所に聴かれるコラール・カンタータ。
オーボエ、フルートといった管楽器陣のソロの活躍が目立つ。レチタティーヴォにコラールを
はさんだアリオーソ風の第4曲、続く第5曲と男声陣の好演が目立つ。(2002.8.18)

BWV114 カンタータ第114番「ああ、愛しきキリストの徒よ、雄々しかれ」(1724)
  第2曲のテノールのアリアに注目。9分という長さもさることながら、技巧的なフルートソロが
音楽を彩る。エクヴィルツが立派な歌唱。フルート・ソロも見事。本来は第3曲以降も活躍するのが、
パート譜が失われてしまったとか、第4曲あたりはソプラノのコラールに美しくからんだのだろう。(2002.8.22)


CD6 アーノンクール(115、116)、レオンハルト(117)指揮
BWV115 カンタータ第115番「備えて怠るな、わが霊よ」(1724)
  フルート、オーボエがこまかい動きでかけめぐる冒頭合唱の後は女声によるふたつのアリア。
アルトにはオーボエ、ソプラノにはフルートがコンビを組んで、警告の詞を歌う。
その淡い暗さが両端の合唱の、のびやかな明るさとの対比をなしている。(2002.9.6)

BWV116 カンタータ第116番「汝平和の君、主イエス・キリスト」(1724)
  アウフタクトが威勢のいい合唱で開幕。半ばには珍しい三重唱が聴かれる。
続くありとのレチタティーヴォが戦争の傷みを鋭い響きの弦楽器を背景に歌う。(2002.9.14)

BWV117 カンタータ第117番「賛美と栄光至高の善なる者にあれ」(1728〜31)
  6/8拍子のリズムが軽やかな冒頭合唱をはじめ、全曲を通してタイトルどおりの明るい曲調。
コラールをはさんでの2部構成、後半では久しぶりに聴くヴァイオリン・ソロのついたアリアがある。
ただしここでのエグモントは珍しくさえない歌唱に終始している。その前後で歌うアルトがいい声だ。
ルネ・ヤーコブスだった、そりゃよくて当然。(2002.9.15)


BWV118は欠番ではなく、モテットの巻に含まれるそうです。 


CD7 アーノンクール指揮
BWV119 カンタータ第119番「エルサレムよ、主を讃えよ」(1723)
  ティンパニとトランペットが派手に活躍。冒頭合唱の序奏では、さらにヴァイオリンに
即興的で技巧的な装飾がついている。おそらくアーノンクールによってつけられたのであろう。
アリアは対照的に管楽器が穏やかな雰囲気をかもし出す。 (2002.9.23)

BWV120 カンタータ第120番「神よ、賛美はシオンにて静けく汝に上がり」(1729?)
  前曲と同じ、ライプツィヒの市の行事のためのカンタータ。アルトの大掛かりなアリアで始まり、
曲の印象はずいぶんと異なる。第2曲の壮麗な合唱が祝典的な雰囲気を盛り上げるが、
続くソプラノのアリア、コラールと叙情的な雰囲気が曲調を支配する。(2002.9.28)


CD8 アーノンクール指揮
BWV121 カンタータ第121番「キリストをわれらさやけく頌め讃うべし」(1724)
  冒頭合唱が背筋を正すような厳かな雰囲気をかもし出す。聞き物は8分半と長いバスのアリア。
器楽は弦楽器のみだが、手が込んでいて、明るく、活き活きとした曲調はアーノンクールにぴったり。
いままであまりパッとしなかったフッテンロッハーのソロが秀逸。
最後には合唱が再び厳かな雰囲気を呼び戻す。 (2002.10.1)

BWV122 カンタータ第122番「新たに生まれし嬰児」(1724)
  大晦日の日曜日のためのカンタータ。新年を迎える喜びを落ち着いた雰囲気で歌う。
全体的に3拍子系の舞曲調のリズムが多いがあくまでもしっとりとした歩み。
第2曲目の通奏低音とバスのアリアだけが厳しく厳粛な趣。(2002.10.4)

BWV123 カンタータ第123番「いと尊きインマニエル、虔しき者らを率いたもう君公」(1725)
  かのシュヴァイツァーが絶賛したという。冒頭合唱の流れるような音楽が美しい。
アリアは内省的な響きでフルートをはじめ管楽器のソロの活躍が目覚しい。
息の短いフレーズだが、穏やかな三拍子のコラールが締めくくる。 (2002.10.7)

BWV124 カンタータ第124番「わがイエスをばわれは放さず」(1725)
  前曲の翌日に初演されたという、というよりこのCDの4曲と他に2曲がこの年末年始に創作された。
器楽は前半で主役といわんばかりに活躍するオーボエ・ダ・モーレをはじめ活発に駆け巡る。
終盤ではテルツの少年達がカノン風の二重唱を美しく歌う。(2002.10.8)


CD8 アーノンクール指揮(125、126)、レオンハルト(127)指揮
BWV125 カンタータ第125番「平和と歓喜もて われはいま」(1725)
  付点のリズムの上をオーボエとフルートが絡み合う、美しい合唱に始まる。
管楽器の絡みと付点のリズムは次のアルトのアリアでも聴かれる。
後半管楽器はなりをひそめ、二つのヴァイオリンを伴う男声の二重唱が聴かれる。(2002.10.10)

BWV126 カンタータ第126番「主よ、われらを汝の御言のもとに保ち」(1725)
  前曲のコラールの後の静けさを、トランペットの勇壮な響きが破る。第1曲の後半はオーボエを
伴って、この手の曲は「ブランデンブルグ第2番」の短調版と聴いてしまうのは我ながら単純である。
全体の曲調は戦いをテーマにしたテキストを反映して切り口の鋭いものとなっているが、
最後はおだやかな息の長い「アーメン」で締めくくる。(2002.10.12)

BWV127 カンタータ第127番「主イエスキリスト、真の人にして神なる汝は」(1725)
  イエスを打つ鞭、鐘の音、最後の審判のラッパと描写的な表現が目立つ作品。
ただし、冒頭合唱の付点のリズムはリコーダーが受け持つからちょっと可愛らしい響きだし、
鐘の音はちょっと穏やかすぎる、曲のせいなのか、レオンハルトのせいなのか? 
気がつくと今まで8曲ずっとアーノンクールの指揮が続いていた。(2002.10.18)


CD10 レオンハルト(128、129)、アーノンクール(130)指揮
BWV128 カンタータ第128番「ただキリストの昇天のみに」(1725)
  昇天にふさわしく、弦楽器の細かい上昇音形をホルンが彩る冒頭合唱をはじめ、晴れやかな作品。
第3曲バスのアリアはトランペットが活躍、後半はレチタティーヴォとなり神を讃える二重唱につなぐ。
最後のコラールはおなじみの旋律のひとつ、ホルンが空を目指すかの様に締めくくる。(2002.10.21)

BWV129 カンタータ第129番「主を頌め讃まつれ」(1726/27)
  トランペット、ティンパニを加えた堂々たる賛美の歌で始まる。しかしここではむしろバス、
アルトと続くアリアの充実に耳を奪われる。特にオーボエを加えた後者の美しさが際立つ。
終曲は前曲と同じコラールだが、こちらは鳴り物に合いの手とずいぶんにぎやか。
(2002.10.23)

BWV130 カンタータ第130番「主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め」(1724)
  前半はアーノンクールが「どうですかお客さん」!というノリで暴れまくる。
金管、打楽器の豪快な演奏はレオンハルトとはまったく世界が違う、ここまでしてよいものか?
どちらかというとここ10年ほどはアーノンクール擁護派の自分も疑問である。
後半はユニークな二重唱によるレチタティーヴォ、テノールのアリアと穏やかな音楽が対比をなす。
(2002.10.25)


CD11 アーノンクール(131)レオンハルト(132、132)指揮
BWV131 カンタータ第131番「深き淵よりわれ汝に呼ばわる、主よ」(1707/8)
  全曲を通して穏やかさを基調にしながら、短いサイクルで曲想が変わり行く。
独唱陣の2曲はアリアとコラールとの二重唱で優美ささえ感じられる響きが聴かれる。
合唱も出だしこそフォルテでメリハリをつけるが、やがて穏やかなな曲調に身をまかせるかのよう。
(2002.11.03)

BWV132 カンタータ第132番「道を備え、大地を備えよ」(1715)
  第1曲は明るく健康的なボーイ・ソプラノのアリア。ハノーファーの少年がいい声、好演。
他の曲から借りてきた終曲合唱を除き、すべてソロの曲、レチタティーヴォの規模も大きい。
後半はルネ・ヤーコプスがレチタティーヴォとアリアを続けて歌う。これももちろん名演。
借り物のコラールは短く、淡々としていて少しよそよそしい。(2002.11.09)

BWV133 カンタータ第133番「われは汝にありて喜び」(1724)
  活発な器楽にコラールが乗る冒頭合唱は久々のパターン。しかし器楽の編成は小ぶりなので、
重厚さよりは軽快さが勝る。レチタティーヴォを男声にあてがい、女声独唱が充実したアリアを歌う。
前曲と同じふたりが引き続きいい声を聴かせる。(2002.11.12)


CD12 レオンハルト(134、135)、アーノンクール(136、137)指揮
BWV134 カンタータ第134番「おのがイエス生きたもうと知る心は」(1724)
  アルト、テノールの対話を基調としていること。長大な曲を2曲持っているという特徴があるが、
印象に残るのは第2曲のアリア(これも5分を超える)。”auf!”という呼びかけが連呼される、
7、8分かかるふたつの曲はいずれも活発な動きの器楽に歌がのる。(2002.11.17)

BWV135 カンタータ第135番「ああ主よ、哀れなる罪人なるわれを」(1724)
  アルペジオのようなオーボエの響きから聴こえるのは「マタイ」の受難のコラール。
テノールによるオーボエの二重奏が美しい第3曲、弦楽器の切り込みのするどい第5曲のバスと
男声による充実したアリアが並ぶ。(2002.11.21)

BWV136 カンタータ第136番「神よ、願わくばわれを探りて」(1723)
  ホルンを伴った冒頭合唱、アーノンクールが児童合唱の美しい響きを生かした演奏をする。
器楽も同様に柔らかな響きでちょっと意外。しかし続く二つの曲では厳しい響きも聴かせる。
後半に男声による二重唱、終結コラールと、弦楽器の美しい動きが印象的。(2002.11.23)

BWV137 カンタータ第137番「主を頌めまつれ、勢威強き栄光の主を」(1725)
  鳴り物入りの冒頭合唱、ここでのアーノンクールは鳴り物よりヴァイオリンのシンコペーションを
強調してメリハリをつけてゆく。5曲がシンメトリックに並ぶレチタティーヴォを持たない作品。
ただしこの曲でのソリスト陣は声楽、器楽ともやや不調。(2002.11.26)


CD13 アーノンクール指揮
BWV138 カンタータ第138番「汝なにゆえにうなだるるや、わが心よ」(1723)
  アリアはバスの1曲だけ、合唱の合間にレチタティーヴォがはさまる形で音楽は区切れなく進む。
曲は厚みのあるドラマティックな進行を見せ、アーノンクールがふさわしい音楽作りで聴かせる。
唯一のアリアののびやかさと、テルツの少年によるアルトの好演が印象に残る。(2002.12.01)

BWV139 カンタータ第139番「幸いなるかな、おのが御神に」(1724)
  アウフタクトで始まる弦楽器の上昇音形が「マタイ」の第1部終曲を思わせる冒頭合唱。
二つのアリアは男声、技巧的なヴァイオリン・ソロが活躍。(2002.12.08)

BWV140 カンタータ第140番「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」(1731)
  147番と並ぶいわずと知れた名曲、先日のアランのコンサートが思い出される、
第3曲のヴァイオリンを伴う2重唱が美しい。以前からCDを持っていてよく聴いている演奏だが、
今回の流れのなかで聴くと整然とした安全運転の演奏で、美しいけれど少し物足りない。(2002.12.11)


141番(テレマン)、142番(クーナウ)とともに偽作ということでこのシリーズには未収録。


CD14 レオンハルト(143、144)、アーノンクール(145、146)指揮
BWV143 カンタータ第143番「わが魂よ、主を頌め讃えよ」(1714?)
  偽作の疑いがある作品、と聞くと疑いのフィルターが耳にかかってしまっていけない。
「器楽と声楽の一体感の薄さが気になる」ととりあえずはいちゃもんをつけてみるが、
全体に動きの豊かな楽しい雰囲気(これがらしくないのかもしれない)で、魅力的な旋律も多い。
(2002.12.15)

BWV144 カンタータ第144番「おのが分を取りて、去り行け」(1724)
  これも偽作の疑いがあるらしいけれども冒頭合唱のちょっとした緊張感を聴くと、
前曲よりは「それらしい」雰囲気を持つ。2曲の女声のためのアリア、これまた二つある
コラールと簡潔で美しい曲がならぶ。(2002.12.18)

BWV145 カンタータ第145番「われは生く、わが心よ、汝を喜び楽しませんために」(1729)
  いきなり二重唱からはじまる。作曲者の死後に冒頭に合唱とコラールを付加して伝承された。
5曲からなる短い作品だが、第3曲の生気あふれる響きには目新しさを感じる。(2002.12.22)

BWV146 カンタータ第146番「われらは多くの患難を経て」(1726)
  最初の2曲にチェンバロ協奏曲第1番が流用されている。ソロはオルガンで他の曲でも活躍する。
第3曲は8分かかるアリア、全8曲の作品がここまでで22分を超える長さとなる。
男声二重唱の晴れやかな曲調が印象的。最後のコラールは次の147番と同じ旋律。(2002.12.24)


CD15 アーノンクール(147、148))、レオンハルト(149)指揮
BWV147 カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまもて」(1723)
  いわずと知れた名曲。しかしコラールのタイトルはすぐに思い出しても「心と口と・・・」とは
すぐ出てこない。140番とのカップリングで以前から聴いていた演奏。かつてほどの衝撃はなく、
むしろ前半などもっと掘り下げられてもいいかもしれない。後半の男声のアリアは見事。
解説を見ると、この時期の録音ではトマス・ハンプソンが参加していた。(2002.12.29)

BWV148 カンタータ第148番「その御名にふさわしき栄光を」(1723)
  タイトルにふさわしく華やかな合唱ではじまる。しかしこの「コンチェルト」と題した音楽、
途中でリズムがあいまいになり音楽がきわめて不安定になる。その浮揚感は聴いたことがない程
妙なものでおよそバッハらしくない。中間のアルトのレチタティーヴォとアリアが充実した音楽。(2002.12.30)

BWV149 カンタータ第149番「喜びと勝利の歌声は」(1729)
  冒頭合唱は「狩のカンタータ」の終曲のパロディ。手許にあるアーノンクールの「狩」と比べると、
レオンハルトはかなりおとなしい。ファゴット=通奏低音の活躍が目立つが、解説にある華麗さは
なくむしろ雅やかな雰囲気の音楽になっている。(2003.01.03)


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