第7巻 コラール/歌曲集他


CD1 アーノンクール指揮
BWV225〜230 モテット
  モテットといえば昔はモーツァルトの「エクスルターテ・ユビラーテ」と決めつけていた。
バッハのモテットは基本的にアカペラを器楽がなぞっていて、密度の濃い合唱曲になっている。
作品番号からいけば先の第6巻冒頭にあるべきシリーズだが、ここに収まっているのはそのせいか。
最初に置かれたBWV225は二重合唱のステレオ効果がでダイナミック面も聴かせる。
モーツァルトがこれを聴いていたく感激したというのもうなずける。
アカペラでの演奏、逆に器楽だけの演奏があったら面白そう。(2004.05.29)


CD2〜5 ロビン・グリットン指揮 ベルリン放送合唱団
BWV253〜438 4声コラール集
  このコラールの数々はバッハの没後に息子と弟子が共同で編集したもの。
カンタータや受難曲に収められていて、すでに聴いたような曲も数多い。
1枚のCDに約50曲ずつ、昼休みにぼっとしながら、あるいは寝床で聴くには最適な音楽である。
そんなわけで4枚のCD、流してはいたけれどもちろん最後まで通して聴くことはない。
次の日は後半からなんていう不謹慎な聴き方である。
アカペラか簡単な通奏低音が付くだけだが、その音楽が偉大なのか、
ベルリンのコーラスが素晴らしいのか飽きることのない4枚である。(2004.05.29)


CD6 プレガルティエン、コープマン他
BWV439
〜507 シェメッリ歌曲集より
  全部で954曲という大きな歌曲集だが、実際に楽譜が付いていたのは69曲。
さらにバッハの手になる旋律が聴かれるのは
3曲。あとは通奏低音に手を加えた程度らしい。
そのすべてにBWV番号は割り当てられているがここで聴けるのは
32曲で半分に満たない。
趣向をこらした音楽にするような内容ではなく、それぞれに甲乙をつけるようなものでもない。
プレガルティエン、コープマン等による演奏は過度な表現を排して、音楽に忠実。
せっかくのいい演奏なのだからぜひとも
69曲すべてを聴いてみたいもの。(2004.08.03)


CD7 コープマン、ユルゲンス他指揮
BWV250-252 婚礼用コラール(1729?)
  婚礼にはちょっと元気がよすぎるコラールが3つ。さすがコープマン!!

BWV500a,1084,1089,1122,1122-1126 コラール
  他人の受難曲に付けたものを初めに、いくつかのコラール。
ベルリンのコーラスは、録音のせいか機械のせいかちょっと高音がキンキンする。

BWV118 モテット(1725)
  バッハはモテットと記していて、葬送用に使われたと思われる。
しかしオブリガードが付いて、作曲技法上はカンタータのものだとか。
よって正確な分類は不可能と学者さんはいうらしいけれど、
大バッハがおっしゃるのだからモテットでよかろうにと思ってはいけないのかしら。

BWV524 クォドリベット(1707)
  結婚式の時に即興的に?歌われたらしい、20世紀初頭に断片でみつかったもの。
内容は俗っぽく、マドリガルやシャンソンのような楽しさ。断片とはいえ9分半。
全曲がそろっていたら、バッハの異色作としてより注目されていたかもしれない。

BWV510,511,513,514,516,518,691,299
  「アンナ・マグダレーナ・バッハのための楽譜帳」より(1725)

  バッハ事典によれば11曲の声楽曲のうち、8曲が収められている。
半分の4曲は器楽のみでの演奏でちょっと寂しいところ。
ジョヴァンニーニの名を語った「君われに心を贈りなば」という歌が愛らしい。(2004.09.04)


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