第1巻 教会カンタータ1


CD1 アーノンクール指揮
BWV1 カンタータ第1番「輝く暁の明星のいと美わしきかな」(1725)

        通奏低音のピチカートとオーボエ・ダ・カッチャにアルトがからむ第3曲が美しい
      本当は10分近く及ぶに冒頭のコラール・ファンタジーがメインなのだろうが、
      肝心の演奏が素人っぽい。(2001.5.21)

BWV2 カンタータ第2番「ああ神よ、天より見そなわし」(1724)

        冒頭のコラールの古風な響きで始まる。第5曲のテノールのアリアが美しい。
      第3曲のアルトのアリアはこの曲の中では男声向きかと思うのだが?(2001. 5.22)

BWV3 カンタータ第3番「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」(1726)
        冒頭のオーボエ・ダモーレのアウフタクトを一聴して「Ach,Gott!」だなと解る。
      第5曲とあわせてダモーレの優しい響きにアウフタクトの鋭角さを持ち込む対比が面白い。
      第2曲の4人のソロと合唱のレチタティーヴォの構成は「マタイ」の終曲前のそれを思い出す。
      CD1では一番充実した演奏。(2001.5.25)


CD2 アーノンクール指揮
BWV4 カンタータ第4番「キリストは死の縄目につながれたり」(1708?)

        コラール変奏という他に類のない構成で作られている曲。長調の部分がなく、
      全曲を通して厳粛な雰囲気が支配している。復活節用の曲であるが、ルターによれば
      復活節は喜びの日ではなく、その前提である受難に付いて考える機会であるとのこと。
      (2001.5.28)

BWV5 カンタータ第5番「われはいずこにか逃れゆくべき」(1724)
        オーボエがタイトルを受けたかのように焦燥感をあおるような序奏にはじまる。
      第4曲のレチタティーヴォにはオーボエソロがコラールを吹いて参加する。
      この曲を挟んでコラール、レチタティーヴォ、器楽独奏付きのアリアがシンメトリーをなしてい
      る。(2001.5.29)

BWV6 カンタータ第6番「われらと共に留まりたまえ」(1725)
        長大な受難曲が始まるかのような"Bleib bei uns"が連呼される重厚な合唱と、
      続く独奏付きの2曲が充実している。レチタティーヴォをはさんだ後半はわき出る楽想を
      抑えるかのようにあっさりとしているのが面白い。(2001.5.30)


CD3 レオンハルト指揮
BWV7 カンタータ第7番「われらの主キリスト、ヨルダンの川に来たり」(1724)
        どの曲も流麗な歌に満ちているのは、川=水のイメージからだろうか。
      特に冒頭合唱のテーマの美しさにひかれる。
      第2曲ではエグモントの的確な歌唱がすばらしい。(2001.6.1)

BWV8 カンタータ第8番「いと尊き御神よ、いつわれは死なん」(1724)
        死を扱った深刻なテキストであるが、第4曲の楽天的な楽想が印象的。
      ここでフルート・トラヴェルソのソロが大活躍。このCDでは独唱が若干オフ気味のため、
      エグモントの歌よりも器楽の名技が際立っている。(2001.6.2)

BWV9 カンタータ第9番「われらに救いの来たれるは」(1732)
        活発な感じの冒頭合唱には比較的ななだらかな旋律の曲が続く。
      第5曲の二重唱が美しいが先の第8、第9番と聴いた続きにはやや地味な曲に聴こえる。
      (2001.6.7)


CD4 レオンハルト(10、12)、アーノンクール(11)指揮
BWV10 カンタータ第10番「わがこころは主をあがめ」(1724)

        冒頭では絶えず上昇音形を奏する低音弦の上に、器楽と合唱が真摯なマリアへの賛歌を
      繰り広げる。第2曲ではレーゲンスブルク大聖堂の少年が、これもまた真摯な歌唱を
      聴かせる。(2001.6.15)

BWV11 カンタータ第11番「神をそのもろもろの国にて頌めよ」(1735)

        冒頭の明るいトランペットとティンパニの響きに「クリスマス・オラトリオ」を思い出す。
      アーノンクールとしては押さえ気味か?レチタティーヴォと冒頭合唱以外は使いまわしらしい。
      しかしテノールのレチタティーヴォの多い構成は受難曲の一部を聴くかのように違和感のない、
      しっかりとした音楽の流れ。(2001.6.16)

BWV12 カンタータ第12番「泣き、嘆き、憂い、怯え」(1714)
        オーボエコンチェルトの緩徐楽章のようなシンフォニアで始まる。
      タイトル通りは憂いを含んだしっとりとした感じで進むが、
      最後のコラールがすべてを救うかのような期待感を伴って曲を締めくくる。(2001.6.18)


CD5 レオンハルト指揮
BWV13 カンタータ第13番「わがため息、涙は」(1726)
        2本のリコーダーとオーボエ・ダ・カッチャの美しい前奏に続くのはテノールのアリア。
      というわけでこの曲での合唱の出番は終曲のコラールだけ。そのコラールは、
      「マタイ受難曲」のコラールにも使われている聴き覚えのあるもの。(2001.6.19)

BWV14 カンタータ第14番「神もしこの時われらと共にいまさずば」(1735)
        バッハが全曲を新たに創作したカンタータとしては最後のものとされている。
      冒頭の深刻な合唱曲に「驚嘆すべき技法の練達が示されている」と解説にあるが、
      わたしはその次のアリアでホルンが聴かせる「ブランデンブルグ協奏曲」第2番の
      トランペット並みのソロの技巧のほうに「驚嘆」したりする。ここではテルツ少年合唱団の
      ソプラノ君も一生懸命の好演(2001.6.20)

BWV16 カンタータ第16番「主なる神よ、汝をわれらは讃えまつらん」(1726)
        聴いたようなタイトルたど思ったら、「テ・デウム」のこと。
      新年用のカンタータでズバリ1月1日に初演された。
      曲自体は控えめな明るさで、「お・め・で・とーうございまーす」とお染ブラザースが
      出てくるような派手さはない。
      驚いたのは冒頭の合唱の第一声。妙なぶれがあって居心地が悪い響きで
      リテイクしなかったのはなぜかなと思ってしまった。
      (2001.6.20)


CD6 アーノンクール指揮
BWV17 カンタータ第17番「感謝の供え物を献ぐるものは、われを讃う」(1726)
       タイトル通り感謝の心に満ちた音楽。強烈なインパクトはないが聴いていて心がやすらぐ。
      第5曲のテノールのアリアが素晴らしい。三拍子の終結のコラールも印象的。
      (2001.6.22)

BWV18 カンタータ第18番「天より雨くだり雪おちて」(1713)
        冒頭のシンフォニアが渋い響きだなと思ったら、ヴァイオリンを使っていない。
      後にリコーダーが加えられたそうだが、ここでアーノンクールは初稿のままヴィオラ四重奏と
      通奏低音だけの編成で演奏している。ハ音とヘ音の楽器の中でソプラノが活躍する。
      (2001.6.23)

BWV19 カンタータ第19番「かくて戦おこれり」(1726)
        序奏なしでいきなり合唱のフーガが始まる。戦いの様子を描いた音楽には3本の
      トランペットとティンパニが加わりアーノンクールも俄然張りきる。
      トランペットは後半のテノールのアリアではコラールの低旋律を受け持ち、
      最後のコラールでもティンパニと共に加わり力強く曲を締めくくる。
      (2001.6.24)


CD7 アーノンクール指揮
BWV20 カンタータ第20番「おお永遠、そは雷のことば」(1724)
       二部構成全11曲の力作。三部形式の冒頭合唱では付点のリズムが多用され、
      雷のイメージを打ち出す。エグモントが第5曲で三本のオーボエを伴ったアリアや
      第2部冒頭の「最後の審判」のアリアで活躍。      (2001.6.28)

BWV21 カンタータ第21番「わがうちに憂いは満ちぬ」(1713)
        これも二部構成の大作。タイトル通りと言えば簡単だが、憂いに満ちた曲が続く前半。
      終曲の独唱と合唱がコンチェルト風にからむのが面白い。
        第2部は魂とイエスの対話として進む、オペラ的というかオラトリオ的というべきか・・・。
      終曲は鳴り物付きのヘンデル風。解説書には「青年時代のカンタータ創作の総決算」という
      評もあるが今までの今までの20番まで聴いた私には妙に尊大ぶった曲に聴こえる。
      前後半各1曲ずつあるテノールのアリアが秀逸。
      (2001.6.30)


CD8 レオンハルト(22、23)、アーノンクール(24,25)指揮
BWV22 カンタータ第22番「イエス十二弟子を呼び寄せて」(1723)

        次の23番と共にトーマス教会のカントルの採用試験のために書いた作品。
      全体としては歌心に満ちた作品。終曲のコラールでは器楽が弾むようなリズムで
      おだやかなコーラスをささえる。(2001.7.5)

BWV23 カンタータ第23番「汝まことの神にしてダビデの子よ」(1723)
        前作との対比をねらったのか前半2曲は少し陰のある曲調のソロと重唱。
      後半のコラールを含む2曲の合唱も少し手の混んだ内容になっている。(2001.7.6)

BWV24 カンタータ第24番「まじりけなき心」(1723)
        ただ1節のみで充実した音楽を繰り広げる第3曲もさることながら、
      それに続く、オーボエを伴ったテノールのアリア、終曲の間奏のついたコラールも
      音楽的にはより親しみやすく魅力的な曲になっている。(2001.7.6) 

BWV25 カンタータ第25番「汝の怒りによりてわが肉体には」(1723)
        楽器編成の大きな曲。それを両端の合唱曲で活用している。手のこんだ第1曲には
      「マタイ受難曲」で使われ広く知られるコラールの旋律が組み込まれている。終曲は
      ハ長調の明るいながらも厚手の響きの音楽。間にはさまれた二つのアリアが自由な
      のびのびとした雰囲気を持っている。(2001.7.7)


CD9 アーノンクール指揮
BWV26 カンタータ第26番「ああいかにはかなき、ああいかにむなしき」(
1724)
       世のものすべてのはかなさが全曲に渡って歌われる。第4曲のアリアではバスの芸風が
      いつもと違うなと思ってみると、ジークムント・ニムスゲルンが歌っている。
      エグモントに比べると、曲の内容も関係していると思うが、かなり性格的な歌唱といえよう。 
      7分に及ぶ第2曲のテノールのアリア、8分の6拍子の三連符とシンコペーションには
      「ブランデンブルグ協奏曲第6番」の終楽章を思い出す。(2001.7.8)

BWV27 カンタータ第27番「たれぞ知らん、わが終わりの近づけるを」(1713)
       冒頭合唱はブラームス、第3曲にはヴィヴァルディ、そして第5曲目には「マタイ受難曲」と
      聴いたようなフレーズが顔をだす。第3曲ではオルガンの独奏がオーボエのオブリガードを
      伴って活躍する。この曲でもバスはニムスゲルンが歌っている。曲のせいもあろうがやはり
      くせがあって少し気になる。(2001.7.9)

BWV28 カンタータ第28番「神は頌むべきかな!いまや年は終り」(1724)
        年末用のカンタータ。
      第1曲目がアリア、第2曲目に合唱。この並び方は数あるバッハのカンタータの中で、
      ふたつあるだけとのこと。そしてこの2曲で全曲の半分近い長さを占める。
      終わりを迎える年と、新しい年への神の恵みへの感謝が明るく、きびきびと歌われる。
      特に冒頭のアリアではウィーンの少年が技巧的に難しいアリアを熱演。(2001.7.10) 

BWV29 カンタータ第29番「われら汝に感謝す、神よ、われら感謝す」(1713)
        ライプツィヒ市の公の行事用に書かれた1曲。
      第1曲は独奏オルガンが活躍するシンフォニアでティンパニ、トランペットを加えた
      華やかなものだが合唱を乗せることを考えていたのかなと思うほど、
      伴奏風(間奏風)の音楽になっている。第2曲が、後に「ロ短調ミサ」に転用される位の
      堂々たる音楽。これ2曲だけでおなかいっぱいという感じのところに、その2曲分の
      長さを持つ第3曲のアリア、これもヴァイオリンソロを伴った素敵な曲。
      好評の作品だったようで、バッハの生前に再演もされたそうだ。(2001.7.11)


CD10 アーノンクール指揮
BWV30 カンタータ第30番「喜べ,贖われし群れよ」(1738)

       世俗カンタータのパロディ。そのせいではないだろうが、実に若々しく明るい曲が並ぶ。
      アーノンクールが強烈すぎず程よいアクセントをつけていく、。
      「バビロン川・・・」の冒頭合唱以来の私のお気に入りは曲の両端の合唱。
      聴いているとその若々しさに気持ちが晴れてくる、その他どのアリアも影がなくて心が和む。
      (2001.7.13)

BWV31 カンタータ第31番「天は笑い、地は歓呼す」(1715)
       復活節のためのカンタータ。同じくBWV4に比べて対照的に祝祭色あふれ、
      どの曲も明るく輝かしい音楽になっている。
      ただ個人的に1枚のCDに第30番とカップリングとなると 
      お気に入りの前曲の合唱の響きが残っていて、邪魔をする。(2001.7.15)


CD11 レオンハルト(32、33)、アーノンクール(34)指揮
BWV32 カンタータ第32番「いと尊きイエス、わが憧れよ」(1726)  
       アリアで始まり、合唱は最後のコラールだけの独唱中心の曲。
      魂とイエスの対話という設定で、全体に穏やかな曲調からなる。
      終盤の二重唱は無窮動的にひとつのモチーフが繰り返される。(2001.7.16)

BWV33 カンタータ第33番「ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ」(1724)
       第2曲のバスのアリアのピチカートの上に妙ななまめかしさ?をもつ
      ヴァイオリンと平易な雰囲気の独唱をのせた響きが「マタイ」のゴルゴタのアリアを
      思い出させる。終盤の男声の二重唱のおだやかさも美しい。(2001.7.18)

BWV34 カンタータ第34番「おお永遠の火、ああ愛の源よ」(1746)
       1746というと晩年に属する。タイトルがちょっと変わっているなと思うと、
     結婚カンタータのパロディ。第3曲のフルートの付いたアルトの叙情的なアリアがすばらしい。
     終曲の明るく力強い響きが晴れやかな祝宴を閉じるにはふさわしい。(2001.7.20)


CD12 アーノンクール指揮
BWV35 カンタータ第35番「霊と心は驚き惑う」(1726)
       第2部構成のアルトの独唱カンタータ。しかしオルガンがアルトに負けない大活躍をする。
     特に各部冒頭のシンフォニアは堂々たるオルガン協奏曲(原曲はオーボエ協奏曲らしい)。
     病人を癒すイエスの奇跡への感嘆が歌われる。(2001.7.20)

BWV36 カンタータ第36番「喜び勇みて羽ばたき昇れ」(1730)
       世俗カンタータのパロディ、何回か改作されて入るらしい。
     活発な冒頭合唱はオーボエ、ソロヴァイオリンが活躍、
     レチタティーヴォは使われず、コラールが各アリアの間に収まっている。
     各曲それぞれ魅力があるが、レチタティーヴォなしで曲が続く分
     全曲とおしてのめりはりがなくなり、逆に曲全体のイメージが薄くなってるような気がする。
     (2001.7.21)


CD13 アーノンクール(37、38)レオンハルト(39、40)指揮
BWV37 カンタータ第37番「信じてバプステマを受くる者は」(1724)
       技巧をこらしたヴァイオリン、オーボエと器楽ソロパートの活躍が印象に残る。
      しかし第2曲のヴァイオリン独奏は復元されたものとのこと。言われて聴いてみると、
      張り切りすぎてフレーズの最後まで装飾を詰め込んだ感が強いと思ってしまうのは
      こちらの身勝手か?ところで「バプステマ」って何でしょうか?(2001.8.3)

BWV38 カンタータ第38番「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」(1724)
       タイトルどおり厳粛な曲想が支配する。後半にはユニークな三重唱がおかれている。
      気が付いたことに、このシリーズの解説書にはこの曲に限らず、
      厳粛=古風なスタイルという図式を打ち立てているように見えるが、
      はたしてそんなものだろうか?(2001.8.6)

BWV39 カンタータ第39番「飢えたる者に汝のパンを分ち与えよ」(1726)
       冒頭合唱の演奏時間は9分11秒、今まで聴いてきた中では大作といえる。
      この曲に解説書には力強く、とか鮮烈な印象といった言葉が使われている。
      しかしここでのレオンハルトの演奏はむしろ穏やかにつぶやく様な合唱となっている。
      確かに曲そのものには、力強い解釈を許すような感もあり他のスタイル、
      たとえばアルノンクールがやるとどうなるかと興味が湧く。(2001.8.8)

BWV40 カンタータ第40番「神の子の現れたまいしは」(1724)
       タイトルどおり、クリスマス用のカンタータ。悪にたとえた蛇を倒すイエスを扱い、
      冒頭合唱を初めホルンが力強く曲を盛り上げる。途中のアリアもがっちりとした感じの
      筋肉質の曲が続く。(2001.8.10)


CD14 アーノンクール指揮
BWV41 カンタータ第41番「イエスよ、いま讃美を受けたまえ」(1725)
       冒頭合唱の賑やかさはアーノンクールの面目躍如。しかしトランペットの粗さが気になる。
     こんなに「へたうま」では眉をしかめる人も少なくないだろう。
     間のアリアには対照的な曲がならぶ。
     特に第4曲のヴィオリン・チェロ・ピッコロのオブリガードの美しい。
     終曲のコラールに冒頭のトランペットが合いの手を入れるかの様に割り込んできたり、
     途中で拍子が変わったりとユニークなつくりになっている。(2001.8.12)

BWV42 カンタータ第42番「この同じ安息日の夕べ」(1725)
       ヴァイオリンとオーボエの掛け合いが元気いっぱいのシンフォニアで開幕。
     この音楽が湧き上がるような楽しさ、奏者も感じているのかなと思わせる。
     曲半ばのアリアとコラール二重唱では冒頭活躍したパートがそれぞれ単独で曲を彩る。
     短いけれども美しい「アーメン」で曲を閉じる。(2001.8.13)

BWV43 カンタータ第43番「神は喜び叫ぶ声と共に昇り」(1726)
       疾走感あふれるコーラスで開幕。3本のトランペット、ここでは快調。(^^;
     全体的に声楽陣が好調で、特に冒頭と終曲のコラールでの合唱の充実と、
     「ウィーン少年合唱団員」ではなく、名前を明記されたボーイ・ソプラノ、
     イェロージッツ君の好演が際立つ。(2001.8.15)


CD15 アーノンクール(44、47)、レオンハルト(45、46)指揮
BWV44 カンタータ第44番「人びと汝らを除名すべし」(1724)
       曲半ばに「アンティ・クリスト」という言葉が聴こえる。
      慌てて対訳を見ると、教徒達に迫害や、苦難を耐え忍ぶように勧める厳しい内容。
     音楽では弦楽器が豊かな流れを作る第6曲が印象的。
      ヘンデルの「アレキサンダーの饗宴」の終曲に似た雰囲気をもつ。
      そしてイェロージッツ君がちょっと不安定な大人たちの歌唱を上回る出来栄え。

BWV45 カンタータ第45番
             「人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか」(1726)

       全体的に落ち着いたというか、陰のある曲調。テキストも堅苦しい内容。
      そうした中で二つの叙情的なアリアにはさまれた第2部冒頭のアリオーソの快速感が
      むしろ際立つ。(2001.8.21)

BWV46 カンタータ第46番「第46番「考えみよ、われを襲いしこの痛みに」(1723)」
       トランペットが組み込まれ、第3曲でバスのソロと共にアクロバティックに活躍するが、
      それ以上に2本のリコーダーの活躍がほぼ全編にわたって目覚しく、
      フォルテの重厚な合唱の中でもその響きが聴かれる。(2001.8.22)

BWV47 カンタータ第47番「おのれを高うする者は、卑うせられ」(1726)
      
第2曲でヴァイオリンソロとひたむきに歌うボーイソプラノの絡み合いが美しい。
      ヴァイオリンソロはもうひとつのバスのアリアでも活躍、こちらではオーボエを加えて、
      トリオ・ソナタ風に音楽を彩る。(2001.8.24)


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